大型・長尺旋盤加工|大径・長尺ワークを単品から
「外径が大きすぎて、いつもの協力工場の旋盤に載らない」「長いシャフトを1本だけ削ってほしいが、引き受けてくれる会社が見つからない」――大型・長尺の旋盤加工は、対応できる設備を持つ工場が限られるため、外注先探しに苦労されるご担当者様が少なくありません。
三暁は、CNCフラット旋盤や5軸複合加工機などの大型設備を備え、大径・長尺のワークを単品1個から加工しています。このページでは、大型・長尺旋盤加工の難しさと、三暁の対応サイズ・設備・加工の流れをご紹介します。
大型・長尺旋盤加工とは(対応できる工場が限られる理由)
大型・長尺旋盤加工とは、外径の大きいワークや、全長の長いワークを旋盤で削る加工です。一般的な町工場の旋盤は、加工できる外径(振り)や長さ(心間距離)、載せられる重量に限りがあります。そのため、ワークが大きくなるほど対応できる工場が少なくなり、「大きい・長い・重い」部品ほど外注先探しが難しくなります。
また、大型ワークは設備だけでなく、クレーンでの吊り込み、芯出し、たわみ対策といった段取りのノウハウが仕上がりを大きく左右します。設備があっても、大物の加工経験が少ない工場では、精度や納期の面でリスクが残ります。
大型・長尺旋盤加工が必要になる主な部品
- ロール類:製鉄・製紙・フィルム・印刷などのライン用ロール、ロールの芯金
- シャフト類:大型モーターや減速機の主軸、搬送設備の駆動軸、船舶用の軸
- シリンダー類:大型油圧シリンダーのチューブ・ロッド
- クレーン・荷役機器の部品:フックブロックの部品、シーブ(滑車)、ドラム、ピン
- 大径リング・フランジ:配管・プラント用の大型フランジ、リング部品
大型・長尺ワーク加工の難しさ
たわみ・びびり対策(振れ止め・芯押し)
長尺のワークは、自重や切削抵抗によってたわみやすく、びびり(振動)が出ると面粗さや寸法精度が悪化します。両端を芯押し台で支えるほか、ワークの途中を振れ止めで支持し、切込み量や送りを調整しながら加工することで、真直度と寸法精度を確保します。一般に、長さが直径の数倍を超える細長いワークでは、振れ止めによる中間支持が欠かせません。三暁のCNCフラット旋盤にはSMW社製の自動調芯振れ止めを2連で装備しており、細く長いワークも高精度に加工できます。
熱変位と寸法管理
長時間の加工では、切削熱や室温の変化によってワークや機械が伸び縮みします。特に長尺品では、わずかな温度差でも全長で見ると無視できない寸法差になります。加工の順序や測定のタイミングを工夫し、熱の影響を抑えながら寸法を追い込みます。
重量物の段取り・芯出し
重量のあるワークは、クレーンでの吊り込みから芯出しまでに時間と経験を要します。芯出しの精度がそのまま加工精度に直結するため、段取りの確かさが大型加工の品質を決めるといっても過言ではありません。三暁の工場には0.5t〜5tの天井クレーンを20台備え、重量ワークの吊り込み・段取りに対応しています。
大型ワークの測定
外径が大きい、あるいは長いワークは、一般的なマイクロメーターでは測れないことがあります。大型の外側マイクロメーターや専用の測定具を用い、機上での測定も組み合わせて寸法を確認します。
設備の使い分け(CNCフラット旋盤・5軸複合加工機・汎用旋盤)
三暁では、ワークの大きさや形状、数量に応じて設備を使い分けています。
| 設備 | 得意な加工 |
|---|---|
| CNCフラット旋盤 | 大径・長尺の外径・内径加工。プログラムによる安定した寸法精度 |
| 5軸複合加工機 | 旋削とフライス加工を組み合わせた複合形状。段取り回数を減らし精度を確保 |
| 汎用旋盤 | 単品の補修部品や、形状を見ながら削る現物合わせの加工 |
| CNC縦型旋盤 | ワークを水平に保持して回転させる縦型構造により、大径・重量物でも安定した旋削加工が可能。外径・内径・端面を高精度に加工。 |
三暁の対応サイズ・保有設備
最大加工径・最大加工長・最大重量
| 項目 | 対応範囲 |
|---|---|
| 最大加工径(振り) | φ1,100mm(CNCフラット旋盤) |
| 最大加工長さ(心間) | 4,000mm(CNCフラット旋盤) |
| 最大ワーク重量 | 3t(CNCフラット旋盤) |
| ロット | 単品1個から |
主な保有設備
- CNCフラット旋盤:オークマ LH55-N C4000(φ1,100×4,000L、3tまで/SMW社製自動調芯振れ止め2連付き)
- 5軸複合加工機:ヤマザキマザック INTEGREX i-400(φ658×1,500L)
- CNC旋盤7台(最大:森精機 SL-603 φ900×2,000L)、CNC複合旋盤2台、汎用旋盤11台(最大:テクノワシノ LEM-200 φ900×1,800L)
- BTAドリリングマシン:河原 BTA-1500RW-NC(穴径φ21〜φ100mm、最大ワークφ300×1,500L)
- CNC縦型旋盤:オークマ V760EX(最大加工径φ760×加工高さ770mm、最大ワーク重量500kg)
設備の詳細は生産設備一覧をご覧ください。
大型・長尺旋盤加工の流れ
- ご相談・図面確認:図面または現物の情報をもとに、寸法・重量・材質・精度を確認し、加工可否と工程をご提案します。
- お見積り:素材手配の有無、熱処理・表面処理の要否を含めてお見積りします。
- 素材手配:丸鋼、鍛造品、パイプ材など、形状と強度に合った素材を手配します。
- 粗加工:素材の黒皮や余肉を取り除き、熱処理に備えて仕上げ代を残した形状に削ります。
- 熱処理:必要に応じて焼入れ・焼戻しなどを行い、強度や硬さを付与します。
- 仕上げ加工:熱処理によるひずみを確認したうえで、図面寸法に仕上げます。
- 検査・表面処理・出荷:寸法を検査し、めっきや塗装を施して出荷します。
加工事例

材料調達から熱処理・めっき・塗装まで一貫対応
大型・長尺品は、工程ごとに会社を移動させるだけでも運搬費と日数がかかります。三暁では、材料調達・鍛造から、旋盤加工、深穴加工、熱処理、めっき・塗装までを一貫して対応しているため、工程間の移動や調整の手間を省き、納期短縮につなげることができます。
長い軸に深穴が必要な場合はBTA加工(深穴加工)、偏心や段付き形状を含む場合は偏心・段付き・テーパー加工のページもご参照ください。
大型旋盤加工の外注先を選ぶときのポイント
- 設備の仕様が合っているか:振り・心間距離・積載重量が、ワークの寸法・重量に余裕をもって対応できるか。
- 吊り上げ・運搬の設備があるか:工場内のクレーン能力や、搬入出の体制が整っているか。
- 大物の加工経験があるか:たわみ対策や芯出しなど、大型ワーク特有のノウハウを持っているか。
- 前後工程をまとめて任せられるか:素材手配、熱処理、表面処理まで一括で依頼できると、運搬と調整の負担が減ります。
大型品のコスト・納期を抑えるために
大型・長尺品のコストは、素材費と段取り時間の占める割合が大きくなります。たとえば、太い丸鋼から大きく削り落とす形状は、鍛造で近い形の素材をつくることで材料費と加工時間を減らせる場合があります。また、精度が必要な部分とそうでない部分を図面上で区別していただくと、加工工程を最適化しやすくなります。設計段階からご相談いただければ、素材や工程の選び方を含めてご提案します。
ご依頼時にお知らせいただきたい情報
- 図面(PDF・DXFなど)、または現物の写真と主要寸法
- 外径・全長・おおよその重量(設備への搭載可否の判断に使います)
- 材質と、素材の手配が必要か(支給品か)
- 熱処理・表面処理の指示の有無
- 数量と希望納期
すべてそろっていなくても構いません。わかる範囲の情報からご相談いただければ、必要な項目を確認しながら進めます。広島県外のお客様からのご依頼も承っています。
よくある質問
Q. 1個だけの加工でも依頼できますか?
A. はい。単品1個から承ります。補修部品や試作品のご相談も歓迎です。
Q. 素材の手配もお願いできますか?
A. はい。丸鋼や鍛造品など、用途に合わせた素材の手配から対応します。
Q. 図面がなく、現物しかありません。
A. 現物から寸法を確認して製作することも可能です。
Q. 他社で断られたサイズでも相談できますか?
A. はい。設備の仕様を確認のうえ、加工可否をご回答します。
お問い合わせ
大型・長尺旋盤加工のご相談は、外径・長さ・重量・材質・数量をお知らせください。他社で断られた案件も、まずはお気軽にご相談ください。



