フランジ加工・特注フランジ製作
配管や機械の接続部に欠かせないフランジ。JISなどの規格品であれば市販品で済みますが、「サイズが規格にない」「大径で市販品がない」「特殊な材質が必要」「1枚だけ欲しい」といった場合は、特注で製作する必要があります。
三暁では、リング鍛造品・パイプ材・板材など、用途に合わせた素材を選び、大型・特注フランジを単品から製作しています。このページでは、フランジの種類や素材・製法の選び方、加工の流れとポイントを解説します。
フランジ加工とは
フランジとは、管や軸の端部に設ける円盤状・つば状の部品で、ボルトで締結して部材同士を接続する役割を持ちます。フランジ加工とは、素材を旋盤で削って外径・内径・面を仕上げ、ボルト穴やシール面(ガスケット座)などを加工する工程を指します。
規格品と特注品
配管用のフランジには、JIS B 2220(鋼製管フランジ)などの規格があり、呼び径や圧力区分ごとに寸法が決められています。一方、機械部品として使われるフランジや、規格外のサイズ・形状・材質が必要なフランジは、図面に基づく特注品として製作します。
フランジの主な種類
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 差込み溶接式(SOP・SOHなど) | 管をフランジに差し込んで溶接する形式。一般的な配管で広く使われる。 |
| 突合せ溶接式(WN:ウェルドネック) | 首の部分を管と突き合わせて溶接する形式。強度が高く、高温・高圧の配管に使われる。 |
| 閉止フランジ(ブラインド) | 穴のない円盤状のフランジ。配管の端部をふさぐ。 |
| 遊合形(ルーズ)フランジ | 管端のつばに引っ掛けて締結する形式。ボルト穴の位置合わせがしやすい。 |
| 機械用フランジ | 軸継手、減速機、ポンプなど機械部品の取付けに使われる。形状は用途ごとに異なる。 |
シール面(座面)の形状
フランジのシール面には、全面座(FF)、平面座(RF)、はめ込み形、溝形などがあり、ガスケットの種類や圧力に応じて使い分けます。面の形状と面粗さは漏れを防ぐうえで重要なため、図面の指示に沿って正確に仕上げます。
フランジの素材・製法の選び方
特注フランジは、サイズや用途、強度、数量によって最適な素材・製法が異なります。
リング鍛造
リング状に鍛造した素材から加工する方法です。鍛造によって組織が緻密になり、強度に優れます。材料の無駄が少なく、大径のフランジに向いています。
パイプ材から
厚肉のパイプ材を輪切りにして加工する方法です。内径が大きく外径との差が小さいフランジでは、材料の無駄を抑えられます。
SS材(板)からの切り出し・削り出し
SS400などの鋼板から円形に切り出し、旋盤で削り出す方法です。素材の入手性がよく、比較的小〜中径のフランジや、単品の製作に向いています。三暁では自動ガス切断機(2台)を保有しています。
製法別の比較
| 製法 | 強度 | 材料の歩留まり | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| リング鍛造 | 高い | 良い | 大径・高強度が必要なフランジ |
| パイプ材 | 標準 | 良い(形状が合えば) | 内径の大きいフランジ |
| 板材からの削り出し | 標準 | 大径ほど悪くなる | 小〜中径、単品・短納期 |
フランジの主な材質
- SS400(一般構造用圧延鋼材):入手しやすく、一般的な配管・機械用フランジに使われます。
- S25C・S45C(機械構造用炭素鋼):SS400より強度が必要な場合や、溶接性・加工性のバランスを重視する場合に使われます。
- SUS304・SUS316(ステンレス鋼):耐食性が必要な配管・設備に使われます。海水環境ではSUS316が選ばれます。
- 合金鋼(SCMなど):高い強度が必要な機械用フランジに使われます。
フランジ加工の流れ
- 素材の準備:リング鍛造品の手配、パイプ材の切断、板材からの円形切り出しなど、製法に応じた素材を用意します。
- 旋盤加工:外径・内径・両端面を加工し、厚みと平行度を整えます。
- シール面の仕上げ:座面の形状と面粗さを図面指示どおりに仕上げます。
- ボルト穴の加工:ピッチ円上にボルト穴を等分に加工します。
- 溶接・表面処理:必要に応じて管との溶接、めっき・塗装を行います。
- 検査・出荷:寸法、平面度、穴位置を検査して出荷します。
大型フランジ加工のポイント
大型フランジでは、シール面の平面度と、ボルト穴のピッチ(位置)精度が特に重要です。直径が大きくなるほど、加工中のひずみや取り付け時の変形の影響を受けやすくなるため、素材の残留応力への配慮や、加工順序・保持方法の工夫が求められます。
ボルト穴加工のポイント
ボルト穴は、相手側のフランジと位置がずれると組み付けができなくなります。ピッチ円径と等分角度を正確に割り付けるとともに、相手側との位相(穴の向き)を合わせる必要がある場合は、図面上で基準を明確にしておくことが大切です。
薄肉・大径品のひずみ対策
厚みに対して直径が大きいフランジは、チャッキングの力や切削熱で変形しやすくなります。保持方法を工夫し、粗加工と仕上げ加工の間に応力を開放させるなどの対策をとって、平面度を確保します。
特注フランジでよくいただくご相談
- 「規格表にない呼び径・厚みが必要」:既存設備の更新や改造で、規格外の寸法が必要になるケースです。図面に合わせて製作します。
- 「海外規格の設備に合わせたい」:ANSIなど海外規格のフランジと接続する場合も、相手側の寸法をもとに製作できます。
- 「古い設備の補修用に1枚だけ欲しい」:メーカーの供給が終わった部品も、現物の測定から製作可能です。
- 「材質を変えて耐食性を上げたい」:鋼製からステンレス製への変更など、材質の見直しもご相談ください。
市販品で対応できない理由がはっきりしていなくても構いません。用途と困りごとをお聞きしたうえで、最適な製作方法をご提案します。
三暁の対応範囲
| 項目 | 対応範囲 |
|---|---|
| 最大外径 | φ1,100mm(設備上の目安:CNCフラット旋盤の最大加工径) |
| 材質 | 炭素鋼(SS400・S45Cなど)、合金鋼、ステンレス鋼(SUS304・SUS316など) |
| 素材 | リング鍛造品(調達可・実績多数)、パイプ材、板材 |
| ロット | 単品〜小ロット |
| 穴あけ設備 | 縦型マシニングセンタ3台(最大:森精機 MV-1003 X2,400×Y1,020×Z800mm)、横型マシニングセンタ2台、5軸複合加工機、NCフライス盤 |
溶接・塗装まで一貫対応
フランジを管や軸に溶接して使う場合や、防錆のための塗装・めっきが必要な場合も、三暁では社内で一貫して対応できます。加工会社と溶接・塗装会社を別々に手配する必要がないため、品質管理と納期の面でメリットがあります。(社内設備:TIG溶接機・アーク溶接機、天井クレーン0.5t〜5t×20台)
加工事例




ご依頼時にお知らせいただきたい情報
- 外径・内径・厚み、ボルト穴の数・径・ピッチ円径
- 規格品と同寸法の場合は、規格名・呼び径・圧力区分
- シール面の形状と面粗さの指示
- 材質、溶接・塗装の有無
- 数量と希望納期
よくある質問
Q. 1枚だけでも製作できますか?
A. はい。単品1枚から承ります。
Q. 規格品と同じ寸法で、材質だけ変えたい。
A. 対応可能です。規格名・呼び径と希望の材質をお知らせください。
Q. 図面がなく、現物しかありません。
A. 現物を測定して製作することも可能です。
Q. 管との溶接まで依頼できますか?
A. はい。機械加工から溶接、塗装まで一貫して対応します。
Q. 相手フランジに合わせた穴位置で製作できますか?
A. はい。相手側の図面や現物の寸法をもとに製作します。
お問い合わせ
特注フランジの製作・フランジ加工のご相談は、外径・内径・厚み・材質・数量をお知らせください。ステンレス製フランジについてはSUS316のページもご覧ください。



